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構造材の価格マンスリーコメント

木材のプロの視点。今月の木材価格の動きを分かりやすく解説します。

欧州材価格とユーロ高に注目!(2007.04)

◆コメント◆ 

3月になり、外材(輸入材)の4,5,6月積み3ヶ月分(一部7月積も含む)の輸入契約交渉がはじまり、契約に至るまでに困難を要しているのが実状のようです。今後の木材の価格動向が気に掛かるところでありますので、住宅資材の主要部分に関わる欧州材、北米材、国産材について個人的見解を述べていきたいと思います。

<欧州材>
欧州メーカーの主力販売先である欧州域内が依然好調なため、出荷も衰えを見せず順調に進んでいます。しかも価格も上昇を続けており、この欧州向け価格が基軸になり各地域の価格も同様の傾向となるのは間違いないでしょう。さらに日本においてはユーロ建て取引が主軸のため、最終的に円換算した際、為替変動が大きなプラス要因、もしくはマイナス要因となります。2006年3月の為替相場の資料を見ますと、1ユーロは¥142前後でしたが、2007年に入ると円安傾向が続き、2007年2月には一時的に1ユーロが¥160と極端な円安局面に陥りました。為替の分だけでも10%以上の仕入高になります。さらに産地価格の上昇分を加味しますと、対前年同月比15%超の上昇になっています。
その他の気になる点は、丸太の使用目的の変化です。つまり、製紙用、製材用、合板用という従来の生産的な使用目的ではなく、燃料用に向けられてきていることです。地球温暖化対策の一つとしてバイオマス分野の需要が増加しているため、燃料として木が利用されてきています。地球温暖化対策を勘案しますと、通常の価格に関するマーケット理論が通らなくなる可能性があります。
この動向は今後の住宅用資材にとって大きな変化・変革を迫られる可能性があるので、欧州だけではなく世界中の動向を注意深く観察する必要があります。

<北米材>
昨年前半は米国住宅市況が良好であったため日本向けの出荷は低調でしたが、後半以降の住宅市況の低迷により、2006年11月より日本向け出荷が再開されました。しかし、日本の住宅資材と樹種志向の変化により、一度北米材離れしたムードを元に戻すのはなかなか難しく、昨年輸入した製品の中には今年になって一部コスト割れを覚悟の製品販売がみられました。その反面、現地では米国にとって木材の最大輸入国カナダが日本向けに輸出を目指しているようですが、丸太に虫が入る(虫害木)など現地の丸太事情等により日本向けグレードの製品が出づらい状態になっているため、増産に苦慮しているようです。ただし、欧州材がこのまま高留まり傾向になった場合、欧州材離れに拍車がかかり北米材(主にカナダ材)が再度日本向けの主導権を握る可能性もあります。

<国産材>
輸入材との価格差、資源の有効利用等により脚光を浴び、需要が多くなったため相場は上昇しています。杉の乾燥材の主要産地である九州では、4月出荷分より値上げを打ち出しました。その他地域でも値上げ打診が多く、おそらく4月以降順次値上げで決着すると思われます。また、伐採時期が終了に向かうにつれて丸太出荷が減少傾向になるため、素材価格は高値に推移すると思われます。

輸入材に関しては欧州の産地価格の上昇基調、北米の高値横ばい基調はしばらく続くと思われます。問題は現在の価格を日本サイドがどこまで受け入れられるか、という点に掛かってくると思います。海外シッパーがどんな状況になっても日本向け出荷を停止するわけにはいかないはずです(木材取引における貿易相手国として、量、金額を見ても日本をはずして考えることは出来ないはずです)。
これまでのところ産地価格の値上げをのんできた日本ですが、最終的に住宅価格に皺寄せされることになり、いつまでもそのような状況を許すわけにはいかないはずです。どのタイミングで産地と貿易相手国である日本との間に歩み寄りがなされるか、が重要な鍵を握っているのではないかと思われます。
国産材はいろいろな要素により見直されてきており、一時の採算を度外視した価格から脱却してきたようですが、やはり問題点は安定供給に尽きると思います。過去に、必要な時に商品が無いという理由でマーケットが嫌気をさしてしまい、「国産材はあてにならない」という烙印を押された経緯があります。国産材の価格上昇は、今まで伐採意欲を無くした山林家にとっては朗報ではありますが、誰が伐採するのかといった根本的な問題(山林労務者の減少・高齢化)を解決しないと国産材の地位を確保することは叶わないと思います。

最後に、木材全般の価格動向は、長期的には各国の資源戦略、地球温暖化による環境変化、各地域の市場動向などの影響によって大きく左右されますが、短期的(向こう3ヶ月)には若干の先高もしくは高値横ばいと思われます。

2007年3月31日
Piccolo  押本 雅寿

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