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構造材の価格マンスリーコメント

木材のプロの視点。今月の木材価格の動きを分かりやすく解説します。

世界の同時株安・金融不安と木材価格の動向(2008.10)

 米国のサブプライムローンの破綻はついに証券、金融の再編にまで達し、世界の同時株安を招くとともに、原油価格の値下がりやドル安、円高を助長、世界の金融不安を誘引している。また、10月に入りNY株が1万ドル割れをし、ドルやユーロが更に急落、円全面高に拍車をかけており、この影響は世界的に計り知れない状況である。今や円高や原油安は、我々の住宅資材業界を取り巻く環境からみれば追い風のように見えるが、全体の需要が委縮してしまえば何の意味もない。

 新設住宅着工は、8月が9万6905戸と前年比53.6%増えたが、前年は改正建築基準法後の減少で、その反動増とみれるが、06年以前の5年間の平均に比べて5.5%低く、季節調整済み年率は113万戸に留まっている。本来秋需といわれるこの10月以降、先に述べた不安定材料の影響で、需要増は
きっと見込めないだろうとの予想がつく。

 木材製品相場は、8月9月、何とか需要もあった為に、需給バランスが整い、北米製品大手国内製材メーカーの値上げ等の影響もあり、どの製品においてもジリ高基調で推移してきた。このまま多少の右肩上がりで、原料価格に見合った製品価格を内外各社メーカーは目指してきたのだが、この先、輸入材全般はいくら現地が強くとも、この為替の影響で値下がりに転じてくる予想は否めなくなってきた。特に北欧材は、集成材も含め、あまりにも急激なユーロ安に。影響は間違いない。ただし、全体の輸入製品在庫量を見ると、どのアイテムもあふれるほどの在庫はなくむしろ少ないアイテムもある。すべては実需の中での価格変動が基本ではあるが、年末~年明けにかけて需要が減る予想は強く、為替要因の製品下げとのダブルパンチで大暴落があるのかも…と予想する人も中にはいる。輸入材の値下がりが始まると、価格面だけを見た場合、今まで追い風だった国産材がまた競争力をなくし、また樹種変換を起こす可能性も秘めている。

 前回も記したようにロシア材においては09年1月~の丸太輸出税率80%で国内製材メーカーの存亡の危機に直面してきた。次なる一手を模索している。輸入赤松製品も入荷激減、価格も凄い勢いで値上げしてきている。すでに手がでないほどの価格で代替製品を真剣に考えておかないといけない状況に。しかし「値が物を呼ぶ」と言われるように、また量が出てくるんじゃないかと言われる人もいる。これから年末にかけて、不安定な世界情勢、日本の政治、経済がどのように動いていき我々の需要に影響してくるのか…全く予想がつかない、何が起こるかわからない、木材価格の動向も、今の世の中を象徴した状況であると思う。

                                
                        2008年10月4日  ピッコロ 押本 雅寿