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構造材の価格マンスリーコメント

木材のプロの視点。今月の木材価格の動きを分かりやすく解説します。

国産材相場も秋需次第。(2009.10)

 思えば丁度1年前、リーマンショックを皮切りに世界的な景気後退と金融危機に見舞われ、我々日本経済も上半期は原油価格による利益の減少に苦しんだ後に追い討ちをかけられ、その影響を大きく受ける波乱の1年であった。現在も住宅市場に回復の兆しはなく、ローン減税の拡大、贈与税の拡充、低金利などの好材料はあるものの、消費者のマインドの冷え込みは依然として変わらない。本来ならば秋需といわれるこの時期に入り、年間を通じて一番迫力のある需要が期待されるところだが、住宅資材は20%以上も市場が縮小しており、資材メーカーも減産対応を長期化して実施しているが、市況はなかなか上向いてこない。

 そんな中、木材価格相場の現状は7月の話しの繰り返しとなるが、昨年末からの価格下落から輸入材を中心に完全に底は打っている。しかし、先の見えない実需低迷を受け、製品価格はほぼ横ばい状態。基本的にはどの製品においても上げ相場なので、仕事が見えている方々は購買意欲が増す時期なのだが、木材流通においてはそんな仮需もおきていないのが現状である。

 輸入製品に関して北米、欧州全般に現地サプライヤーは厳しい経営に迫られ、減産は勿論、工場閉鎖など大幅な縮小体制にあり、一昔前の量産工場での考え方から一転し「原料コストに見合わないものは作らない」、「数量を減らしても採算の合うもののみ成約する」と厳しい価格を突きつけ、多少の為替の追い風はあったものの、なかなか希望数量の成約にいたっていない現状の中、年末から年明けにかけて、更に輸入製品全般の入荷量は激減してくると予想。国内集成材メーカーも、春先に予想していた価格には未だ到達せず、原料コストに見合わない販売価格が長く続いており、大手柱工場が事業撤退をしたり大半の工場が減産し続けていたり原料調達が上手く出来てなかった点などから、間違いなく集成材全般は右肩上がりの相場である。

 国産材においては、減税や補助金の恩恵が付いた長期優良住宅で、国産材利用が推進されたことなどを受けて住宅市場で国産材を採用する動きが急速に広がってきた。新生産システムの導入などで構造材の安定供給が整いつつあることも大口のビルダー等に合致し、大手住宅会社向けの工場は軒並みフル稼働状態である。輸入製品の動き次第もあるが、国産材相場もジリ高ムードで原木も現在は桧を中心に上昇基調に突入している。だが、杉は依然として上げ鈍っているのでやはり国産材相場もこの秋需次第であり、大きな変動のない上げ相場に期待をしたい。

                                
                        2009年10月7日  ピッコロ 押本 雅寿