
3.11大震災は、我々の木材製品に与えた影響も大きかった。
年明けから今年の住宅着工予想は83万~85万戸、その内在来工法は昨年からの法改正での追い風から35万戸強と言われ、我々も今年はという思いから資材調達という面で特に輸入材においては通常よりも多く仕込んだ。
そして震災直後、何を思いきや資材確保という面から慌てて仕込んだ方々もおり、震災前に仕込んだ製品と直後に仕込んだ製品が現状同時に入荷されており、どこの埠頭も流通倉庫も溢れている状況が約2ヶ月以上続いている。
この大震災で住宅に関わる各種メーカーや合板工場、製材所など被災にあわれた工場も数多くあり、その影響で震災前に受注されていた住宅が思うように進まなかった点や、余震や原発の問題から不安が多く消費者の新規購買意欲は必然と減少、まずは被災者向けの仮設住宅、復興住宅に力を注ぎ新規は後回しになったことなど、当然震災後の木材製品の動きは大きく止まった。それが今の過剰在庫に繋がっているのは否めない。
しかしながら、現状はようやく被災地復興も徐々に進み、自粛ムードも払拭され、あらゆる住宅メーカーが販売強化している中、6月中盤からは目に見えた受注回復を感じれるようになってきた。各種メーカーもようやく本格復旧し稼働し始め、まだ製品によっては多少の納期遅延もあるが、8割がた回復傾向にはある。
そんな中、木材製品全般の価格動向はというと基本的に過剰在庫になれば必然的に価格は弱くなるのは当然のことで震災後はあらゆる製品とも下げ基調にある。7月からの需要回復でどれだけ現状の在庫がはけるかがカギとなるわけだが、それもどこまで根拠のある話しなのか希望的観測にすぎやしないか不安感を未だに持ちながら皆で様子を見て慎重に価格をつけているのが直近の現状である。
輸入材については北欧、北米、ロシア共に現地先物価格は決して弱くなく、日本の現状を理解しながらも他国の良いところと区分けして当然為替の影響もある中、それぞれが数量調整しながら契約をしている。一部先安感のある製品もあるがほとんどが横ばい。
震災後落ち着いてからの先物手当については、大手内地集成材メーカーの原料にしても、製品の流通在庫用にしても通常の数量は不安で買えなく手当出来ていないと聞く。国産材においても同様で構造材羽柄材共に動きが鈍かった為、丸太も下がり製品価格も特に供給量の多い杉の柱に関しては大きく下落した。しかし今まで述べた要因から実需が回復すれば在庫も一掃し、今が木材製品全般底値であることに違いなく、秋に向けて徐々に製品価格も上昇してくるであろうと読む。
何はともあれ、まずはこの大震災での被災地で被害にあわれた方たちの1日も早い復興を祈念し、我々の業界も1日も早い需要回復を願いたい。
2011年7月5日 ピッコロ押本 雅寿